交響曲一覧
# | 調 | 作品番号 | 作曲時期 | 楽章 | Fl | Ob | Cl | Fg | Cfg | Hr | Tp | Tb | Tub | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | c | op.68 | 1876 | 4: sf-s-f-ssf | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 4 | 2 | 3 | ||
2 | D | op.73 | 1877 | 4: f-s-sf-f | 2 | 2 | 2 | 2 | 4 | 2 | 3 | 1 | ||
3 | F | op.90 | 1883 | 4: fs-s-f-fs | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 4 | 2 | 3 | ||
4 | e | op.98 | 1884/85 | 4: f-s-f-f | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 4 | 2 | 3 |
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背景など
ベートーベン以降、交響曲は「最高かつ完璧な器楽作品」(E.L.ゲルバー,1813)、「器楽による最高の音楽様式」(G.W.フィンク,1838)とされ、下手な作品を書くとボロボロにこき下ろされることになって行き、シューベルトのあとは交響曲の“生産”も減少して、「交響曲の危機」(ダールハウス)を迎えます。一方ではリストやワーグナーによる「新しい音楽」が力を持ち始めていました。そんな中、シューマンに才能を称揚され、多くの批評家から注目されるブラームスが、なかなか交響曲を書けなかったのは良く知られるとおり。
1854年に着手された2台ピアノのためのニ短調ソナタは、いったん交響曲へとオーケストレーションが始められながら、最終的には1857年のピアノ協奏曲1番となります。1862年の6月にはハ短調の交響曲の1楽章を仕上げてクララ・シューマンに送っていますが、紆余曲折を経てこれが作品68として完成するのは1876年。ワーグナーが『指輪』をバイロイトで初演した、まさにその年でした。
最初の大規模作品であるドイツ・レクイエムについては、「ドイツ・レクイエムの歌詞と音楽」も参照してください。
参照文献
- ウォルター・フリッシュ著、天崎浩二訳『ブラームス4つの交響曲』, 1999-11-10, 音楽之友社, ISBN:4-276-13152-9
- 日本ブラームス協会編『ブラームスの「実像」』, 1985-07-20, 音楽之友社, 1997-11-10, ISBN:4-276-20131-4
- Roger Norrington, 'Conducting Brahms' in; Michael Musgrave ed., "The Cambridge Companion to Brahms", 1999, Cambridge University Press, ISBN:0-521-48581-9
- Michael Musgrave and Bernard D. Sherman ed., 'Performing Brahms: Early Evidence of Performance Style', 2003-10-01, Cambridge University Press, ISBN:0-521-65273-
- Reinhold Brinkmann (Peter Palmer trans.), 'Late Idyll: The Second Symphony of Johannes Brahms', 1995, Harvard University Press, (original 1990), ISBN:0-674-51176-X
- ロジャー・ノリントン, ブラームス交響曲の演奏ノート, 1990, A booklet accompanying the CD of Brahms' symphonies by Norrington
- Bernard D. Sherman, Review of the Brahams Symphonies by Charles Mackerras, 1997-11/12, Fanfare